Officine Galileo Etar 5cm f2.0
 

Lens Data

Lens Unit

Lens Photo


レンズ構成 4群6枚(ダブルガウス型)
重量 312g
発売 1951-52年

Lens composition  4groups 6lenses(double gauss)
weight : 312g

Start sales  1951-52

Lens Impression

Rectaflexレクタフレックスはテレマコ・コルシ(Telemaco Corsi )のアイデアが結集したイタリアの高級一眼レフカメラです。イタリア国内での活動期間はわずか8年(1947年から1955年まで)と極めて短いものでしたが、ボディのマイナーチェンジを繰り返しつつ、さらに非常に多くのレンズメーカーから専用レンズが供給されました。
思いつく社名だけでも、
  (伊)Officine Galileo, Filotecnica Salmoiraghi Milano,
  (仏)Angenieux, SOM Berthiot, Kinoptik,
  (独)Carl Zeiss, Voigtlander, Schneider, Rodenstock, Schacht, Steinheil, Kilfitt,
など数え切れず、登場しない企業名を挙げるほうがはるかに容易なくらいです。

さらにカメラ本体も、ダイキャストはSIMI社から、ペンタプリズムとコンデンサーレンズはシャンデリアメーカーのMETAL-LUX社から、シャッター膜はタイヤで有名なPIRELLI社から供給を受けていました(シリーズ25000以降)

1953年秋に米軍から3000台という大きな注文を受けましたが、イタリアの常?でデリバリーが大きく遅延。なんとか1500台を送るものの、契約違反との反発を受け、結果的に大きな損失を生じることとなりました。その後米国大統領がアイゼンハワーになると契約自体もキャンセルされてしまいます。1954年の取締役会でコルシは解任され、カメラの生産中止、従業員の解雇が決められます。

1955年にレクタフレックスの製造が終了した後も、コルシは引き続き研究を続け、自動露出、ESAFLEXと呼ばれる6x6判一眼レフ、レンジファインダー機(RECTA、DIRECTOR-35)などを開発しています。

1955年末、リヒテンシュタイン皇太子フランシス・ジョセフ2世がレクタフレックス社の買収を希望しましたが、事前にエンジニアをイタリアに派遣したところ、施設・設備の貧弱さに失望著しく、結局特許のみを購入したうえで、リヒテンシュタイン国内にレクタフレックス・インターナショナルを設立しました。しかし設立後もリヒテンシュタイン側とイタリア側の技術者の隔たりが改善されず、結局同社はいったん追い出したコルシを呼び戻すこととなります。コルシがこのオファー受け入れたことによって、新たなアイデアを纏ったレバー巻き上げの40000シリーズが完成しました。40000シリーズ(レクタフレックス・リヒテンシュタイン)は少数生産されましたが、この頃日本製一眼レフの攻勢の影響で市況は大きく悪化しており、短期間で40000シリーズの生産は終了します。(出典;Gli stabilimenti Rectaflex by Antonello Anappo)

レクタフレックスには母国イタリアから2社がレンズ供給を行っていますが、今回のEtar 5cmf2.0はOfficine Galileoガリレオ社が製造したレンズです。構成はシンプルなダブルガウス型です。製造期間はわずか2年で製造数はかなり少ないと想定されます。
また、Etar 5cm f2には似たような名前のEsar 5.2cm f2という兄弟レンズが存在します。ほとんど同じ焦点距離、f値で販売時期も重複しており、違いはレンズ構成がわずかに異なるだけですが、なぜこのような形態のレンズラインアップにしたのか、理由は不明です。

描写は絞り開放ではわずかにフレアの乗った柔らかい描写で、背景のボケは輪郭がきれいに浮き出た面白い効果が見られます。絞ると非常にしっかりした描写となります。

 Photos with Etar 5cm f2.0
 
2018
Yokohama Yamate
(横浜山手西洋館)
横浜山手西洋館の季節季節のデコレーションは素晴らしいですね。このようなものを無料で見せていただけるということは本当にありがたいです。
窓から柔らかな光が差し込んでいて、レンズの描写も一段と華やかに感じられます。
屋外では少し絞りましたが、フレアも弱まり、しっかりと描写してくれていますね。
2019
Yokohama Koganecho
(横浜黄金町)
横浜黄金町の夜の街はだいぶ前に一掃されましたが、まだ建物の一部にはその面影も見られました。若い芸術家などに積極的にそのスペースを貸しているようですね。
近くの橋の上はカモメで溢れかえっていました。近寄っても平気の平左ですので、いろいろな瞬間を捉えることが出来ます。こうしてバシャバシャシャッターが切れるというのもデジタルの恩恵の一つですね。
 
 
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